技術系の転職は、ポートフォリオが必要になることがあります。スクレイピング技術をアピールするときも、ポートフォリオがあった方が有利です。
ただポートフォリオであれば何でもいいわけではなく、面接官の心を動かす内容でなければいけません。
本記事では、面接官の心を動かすポートフォリオについて考えたいと思います。企業によって求められるスクレイピング技術は異なりますが、それでも制作時の参考になるのではないかと思います。
目次
何故ポートフォリオが必要か?
スクレイピング技術の証明に、ポートフォリオが必要な理由を解説します。
アピールに有効だから
スクレイピングを業務に取り入れる企業は増えてきましたが、単に目的のデータを抽出するぐらいであれば、既存のスクレイピングツールで十分です。
このような背景があるので、「私にはスクレイピング技術があります」と誇らしげに伝えるだけでは、面接官の心に響きません。
スクレイピング技術でアピールしようと思えば、スクレイピングツールではできないことも、できると証明するのが効果的です。
ポートフォリオがあれば口で説明しなくても技術力が解るので、手っ取り早いです。
業務に使えるかどうか見極めやすくなるから
ポートフォリオという具体的な制作物があれば、業務に使えるかどうか判断しやすくなります。高度なスクレイピング技術があっても、応募先の企業で使えなくては意味がありません。
ポートフォリオはプログラムなので応募先に持参することはできませんが、プログラムを設置しているURLを提示すれば、応募先の会社はその場で使えるスクレイピング技術かどうか判断してくれるでしょう。
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ポートフォリオ制作のポイント
ポートフォリオは作品には違いはないですが、あくまでも自己PRツールであるのを忘れてはいけません。
面接官が理解しやすい形にする
ポートフォリオの冒頭に簡単な説明を挟めば、面接官はどのようなシステムなのか理解しやすくなります。
- 大手旅行サイトのタイトルをスクレイピングしました。
- スクレイピングした内容を、表形式で整理しました。
- 表で整理されたデータは、自由に編集できます。
簡単でもいいので説明分を加えましょう。
説明分を入れることで、面接官はどのようなスクレイピングシステムなのかが、一目で解るようになるでしょう。
第三者も使いやすいように工夫をする
自分で制作したスクレイピングシステムの操作に迷うことはないでしょう。しかし第三者も迷わないかといえば、そうとは言い切れません。
第三者が初めてのシステムを使うときは、迷子になりやすいということを忘れてはいけません。
第三者を迷子にさせないためには、ウィザード形式で操作できるようにしたらいいでしょう。または各機能に説明書を入れてもいいでしょう。
面接官にポートフォリオを見せるまえに、友人にシステムを操作してもらいましょう。そしてフィードバックをもらうのです。
フィードバックを一つずつ解決するうちに、第三者にも使いやすいシステムになると思います。
有名なwebサービスでスクレイピングする
ポートフォリオにするスクレイピングシステムは、有名なwebサービスをおすすめします。有名なwebサービスだったら、面接官も難易度が解りやすいからです。
Excelでもスクレイピングできるようなwebサービスを、スクレイピングしても価値はありません。難しいwebサービスをスクレイピングしてこそ、面接官は応募者の力量を知ることができるのです。
分析結果を加える
分析結果をシステムに加えたら、面接官の心を動かすことができるでしょう。最近のスクレイピング業界は、分析付きのサービスが増えてきました。
分析付きのサービスを提供するようになった背景は、ズバリ利用者の利便性です。利用者はデータだけ見ていても、どのような意味があるのか解りません。
そんな利用者に分析結果を提供すれば、データの活用方法が見えてきます。分析能力を鍛えるのは大変かもしれませんが、今後のスクレイピング技術者は、分析能力が必須になるでしょう。
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面接官の心を動かすポートフォリオ
これからは面接官の心を動かす、有効なポートフォリオを紹介します。
自動的にスクレイピング結果をメールで通知
データによっては毎日スクレイピングしなければ、意味がないものがあります。日々の特価情報などもそうでしょう。
このような情報はサイトにアクセスしたらチェックできますが、毎日チェックするのは面倒臭いものです。
スクレイピング結果を、メールで通知したら忙しい利用者は助かると思います。少ないデータであれば表形式で、データが多い場合はCSVファイルを添付したらいいでしょう。
複数のファイル形式で出力
スクレイピングの結果を複数のファイルで出力してくれたら、利用者は助かります。
「複数のファイルで出力するなんて簡単やん!」
プログラム経験のない人は、このような感想を抱くかもしれません。
しかしファイルによってフォーマットは異なるので、複数のファイル形式で出力するのは意外に難しいものです。
IT企業の面接官は技術の難易度について詳しいので、複数のファイル形式で出力するだけで、以下のような感想を抱くのではないでしょうか?
「この応募者は、技術がしっかりしている」
こう思わせたら応募者の勝ちです。
セキュリティ対策が万全
複数人が使うスクレイピングシステムは、セキュリティ対策にも気を配らなくてはいけません。ポートフォリオにも、セキュリティ対策をしっかり盛り込みたいものです。
セキュリティ対策で一番大切なことはナリスマシの防止ですが、防止方法はSMS認証を活用した二段階チェックが有効です。
一番簡単な方法はAPI連携できるSMS認証サービスを利用することですが、個人の場合はサービス料金を捻出するのが大変な人もいるでしょう。
そのような人には、ワンポイントパスワードの発行をおすすめします。
ワンポイントパスワードは数字をランダムに変更する必要がありますが、プログラム言語の乱数関数を使えば簡単ですね。
操作がシンプル
操作がシンプルなスクレイピングシステムの構築は簡単そうで、実はなかなか厄介です。利用者のITリテラシーはさまざまですが、開発者はまったくの素人でも操作できるように工夫しなければいけません。
まったくの素人が陥りやすい壁は、操作に迷うことです。慣れている人であれば勘で次の操作が解るものですが、まったくの素人は一旦迷ったら思考停止状態になります。
このような素人にも使いやすいシステムとは、ウィザード形式のシステムです。あとは項目ごとにヘルプがあれば望ましいです。
ウィザード形式のシステムを構築するときは、ITに疎い友人に協力してもらいましょう。そしてフィードバックをもらいましょう。
まとめ
スクレイピング技術そのものはシンプルですが、完成度の高いシステムを構築しようと思えば、それなりの技術が必要です。
技術力を言葉で説明するのは難しいですが、ポートフォリオを面接官に見せたら伝わりやすいです。
ポートフォリオは営業にも有効で、売れているフリーランスは上手にポートフォリオを活用しています。
たかがポートフォリオと思ってはいけません。
少し大袈裟な言い方かもしれませんが、ポートフォリオは24時間働く営業マンのような存在です。応募者であれば、強力な名刺ではないでしょうか?
そんなポートフォリオは、時間をかけてじっくり制作しましょう。