プロキシとファイアウォールを同列にする人がいますが、プロキシとファイアウォールは基本的な役割が違います。
それでもプロキシを活用してファイアウォールの役割を任せることは可能なので、一概に間違っているとは言えません。
本記事ではプロキシとファイアウォールの違いを、具体的に解説します。
最後まで読んでもらえたら、プロキシとファイアウォールを上手に使い分けることができるようになるでしょう。
目次
プロキシとファイアウォールの基本的な役割
プロキシとファイアウォールの基本的な役割を解説します。
プロキシの役割とは?
プロキシには代理店の意味がありますが、プロキシ本来の役割は代理人の役割を果たすことです。
スマートフォンを始めとする通信機能があるデバイスには、IPアドレスという固有の番号が付与されますが、プロキシを活用すれば通信経路が分かりにくくなります。
各プロキシ業者は多くのIPアドレスを有しているため、利用者に多くのIPアドレスを貸すことができます。
プロキシには他の役割もある
プロキシにはIPアドレスの隠蔽機能だけではなく、負荷分散やキャッシュ機能などもあります。
そしてプロキシの種類によっては、セキュリティを強固にする機能もあります。
セキュリティを強固にする機能が、ファイアウォールと混同されるようになったのではないでしょうか?
プロキシファイアウォールには外部サイトへの直接アクセスを防止する機能があるため、現時点では安全なネットワーク接続だと言えるでしょう。
ファイアウォールの基本的な役割とは?
ファイアウォールにもさまざまな防御壁がありますが、主な防御壁には以下があります。
- パケットフィルタリング
- アプリケーションレベルゲートウェイ
- サーキットレベルゲートウェイ
パケットフィルタリングはヘッダー部分を解析し、通信を許可するかどうか判断します。
またデータのやりとりをアプリケーションレベルでチェックし、通信を許可するかどうかを判断する方法もあります。
サーキットレベルゲートウェイはTCPやUDPによる内外の通信を中継する機能ですが、プライベートIPアドレス経由で外部と通信することを助けるため、ハッカーを欺きやすいです。
置く場所を指定することもできる
ファイアウォールは置く場所を指定することもできます。
内部に置く場合は社内のネットワークをファイアウォールの内側で設定しますが、そうすることで社内から公開サーバーへアクセスすることが簡単になります。一方、公開サーバーが攻撃された場合は、社内のネットワーク全体に危険が及ぶ恐れがあります。
公開サーバーのみファイアウォールの外側に置く方法もありますが、セキュリティ設定には十分に気をつけなければいけません。
ファイアウォールを二台設定して非武装地帯(DMZ)をつくる方法もありますが、設定が煩雑なのでネットワークに詳しい人以外は配置が難しいです。
それでも現時点ではベストな方法なので、多くの企業では非武装地帯をつくる方法を採用しています。
プロキシのファイルウォール機能
ファイアウォールを危険な通信を遮断する機能と定義したら、プロキシにも効果的なファイアウォール機能があります。
主なプロキシのファイアウォール機能
主なプロキシのファイアウォール機能には以下があります。
- ホワイトリスト設定
- アクセスポリシーの定義
どちらの役割も通信の許可を明確にすることですが、少しだけ方法が違います。
ホワイトリスト設定
重要なサービス、ウェブサイトのURL、IPアドレスをホワイトリストに登録する方法ですが、特定のアクセスしか許さないので、非常にセキュリティ度は高いと言えます。
一方、ネットサーフィンで情報を収集する人は、不便さを感じるかもしれません。
アクセスポリシーの定義
特定のユーザーやグループがアクセスできるリソースを制御する設定ですが、アクセスできる時間帯を制限したり、特定のグループにはアクセスを制限したりすることもできます。
ホワイトリストと比較すると柔軟な方法ですが、こちらも適切に設定すれば非常にセキュリティ度が高いと言えます。
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プロキシのファイアウォール機能をより強固にする方法
プロキシのファイアウォール機能を、より強固にする方法について解説します。
プロキシサーバ型ファイアウォールの導入が最も簡単
最近はプロキシサーバ型ファイアウォールが登場していますが、内容はプロキシサーバを介して通信を検査する形式のファイアウォールなので、革新的な技術とは言えません。
それでもプロキシサーバーを介することで、通信内容をすべて検査したり外部と内部を直接繋がらないようにすることができます。
これ以外のメリットには、内部からのアクセスを制限できることがります。
プロキシサーバ型ファイアウォールを導入するときは、信頼できるサービス業者から購入してください。
外部のセキュリティサービスと連携
外部のセキュリティサービスと連携すれば、セキュリティ度の強化が期待できます。
セキュリティサービスは不正なアクセスを防いでこそ価値が上がるものですから、セキュリティに対する意識が非常に高いです。
またセキュリティをすべて外部のサービス業者に任せることができるので、業務の負担減になるでしょう。
いろいろなサービスがありますが、一般の人でも使いやすいサービスをおすすめします。
プロキシサービスのセキュリティ対策はより大切
プロキシサービスのセキュリティ対策の質も見逃せない要素です。
独自のセキュリティ対策をしている
プロキシサーバーを提供しているだけのサービス業者に、高度なセキュリティ対策は期待できません。
暗号化通信に対応しているだけでは不十分なので、独自のセキュリティ対策は絶対に大切です。
一部のプロキシサービス業者のセキュリティ対策の質は悪く、安心して任せるわけにはいきません。
安全かどうかは以下の項目をチェックすれば、ある程度は判断できます。
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- 独自のシステムを構築している
- 顧客管理が厳格
- 有人監視をしている
- 対策が早い
上記の4項目を満たしていれば優良なプロキシサービス業者だと判断できますが、徹底的に実行しているサービス業者は少ないです。
大手の有名企業も利用している
大手の有名企業も利用しているプロキシサービスは、優良なプロキシサービスだと判断できます。
大手の有名企業は何よりも企業の信頼性を大切にするので、インターネット上のトラブルを極力避けようと努力しています。
しかし自社だけでは対応できないため、優良なプロキシサービスを選ぶわけですが、多くの有名企業が利用していると分かれば、安心して契約できるのではないでしょうか?
利用者チェックもしている
利用者のチェックをすることも、セキュリティ対策では大切です。
残念なことですが内部の利用者の不注意が原因によるトラブルは、レンタルサーバーでも発生しています。
多くの利用者がいるプロキシサービスでも、レンタルサーバーと同様のトラブルが発生する可能性はあるので、利用者を厳選することは大切です。
まとめ
プロキシとファイアウォールの違いについて解説しましたが、元々役割が違うので同列に並べることはできません。
ただ最近はプロキシを標的にしたハッカーも登場しているので、プロキシ側も何らかの対策を講じなければいけません。
どの方法がベストなのかは利用者の環境や使い方によって変わってきますが、絶対に間違えてはいけないのは、プロキシサービス業者選びです。
プロキシサービス業者が杜撰だったら、いくらセキュリティ対策を講じても、ざるに水を入れるようなものです。
これは冷静に考えたら誰もが分かることなので、プロキシサービス業者選びには十分な時間をかけてください。
それから契約前には必ず無料体験で、プロキシサービスの質を自分の目で確かめてください。