プロキシ（プロキシサーバー）には種類があり、リバースプロキシも一つの種類です。
プロキシは大企業でも活用するようになっていますが、よりパフォーマンスを発揮するには、リバースプロキシを欠かすことはできません。
本記事ではプロキシとリバースプロキシの違いを解説するだけではなく、リバースプロキシの実用性についても考察します。
プロキシもリバースプロキシも永遠に存続すると予想されますが、導入を検討している人は記事を参考にしてください。
目次
プロキシサーバーの基本を整理
プロキシサーバーの基本を整理します。
プロキシサーバーとは何か？
通常インターネットはクライアントのリクエストを直接webサーバーが受け取りますが、プロキシを設置すれば、クライアントは直接webサーバーにアクセスする必要はありません。
プロキシがクライアントに代わって、webサーバーにアクセスしてくれるからです。
これによってクライアントは匿名性を維持することができますが、話を分かりやすくするために通信経路を見ます。
クライアントはプロキシにリクエストを送りますが、その際はクライアントのIPアドレスがプロキシに通知されます。
クライアントからデータを受け取ったプロキシは、クライアントのリクエストをwebサーバーに送ります。
webサーバーにもアクセス者のIPアドレスは通知されますが、クライアントのIPアドレスではなく、プロキシサーバーのIPアドレスです。
そのため、クライアントはIPアドレスを隠蔽することができます。
プロキシはこんな人に便利
昔のプロキシは2チャンネルで使用されることが多かったですが、使用目的はズバリIPアドレスの隠蔽です。
2チャンネルのような匿名掲示板で人を中傷したい時は身元を隠したいのが人情ですが、プロキシを活用すれば簡単に実現できます。
わざわざプロキシと契約するのが面倒臭い人は、プロキシサイトを利用すればいいでしょう。
プロキシサイトは任意のURLを入力しボタンを押すだけで、自動的にプロキシ経由のアクセスになるので便利です。
リバースプロキシの基本を整理
リバースプロキシの基本を整理します。
設置する場所が異なる
プロキシは外部にありながら基本的にはクライアント側に設置するのに対し、リバースプロキシはWebサーバー側のネットワーク環境に設置します。
設置場所が異なっていてもクライアントのリクエストを中継するのは、普通のプロキシと変わりはありません。
これだけ見たらプロキシとリバースプロキシの違いは分かりませんが、目的面では大きな違いがあります。
リバースプロキシはwebサーバーの利便性と、安全性を高めるために利用されるのが一般的です。
リバースプロキシの機能を深掘り
リバースプロキシは通信情報を精査しアクセス制限することが可能なため、セキュリティ対策として使う企業が多いです。
リバースプロキシはアクセス負荷分散機能も有しているため、アクセス数が多いマンモスサイトの運営に活用されることもあります。
リバースプロキシを活用することで複数のwebサーバーと連携できるため、多くのwebサーバーを使う企業は助かります。
キャッシュ機能も有していますが、キャッシュ機能はクライアントが一度閲覧したデータを、キャッシュ領域に保存します。
二回目以降はキャッシュ領域から取り出すため、クライアントのブラウザに表示されるのが早くなります。
暗号化機能も大きなメリットです。
通常クライアントとWebサーバー間で暗号化する場合は、webサーバー側で実装するのが一般的ですが、リバースプロキシを導入すればリバースプロキシが暗号化を行うため、処理速度が速くなります。
リバースプロキシはこんな人に便利
リバースプロキシは大規模なサイトを運営する人や、安全性の高いサイトを運営したい人に便利です。
ビジネスでwebサイトを運営する場合はサイトが巨大化しがちですが、巨大化したらアクセスも増えがちです。
アクセスが増えてきたらフリーズの原因になりますが、リバースプロキシを導入すれば適切に負荷分散してくれるので、利用者は快適に使用できます。
安全性への寄与も見逃せません。
企業のサイトに不正アクセスがあり顧客情報が流出した場合は、企業のイメージダウンに繋がります。
しかしリバースプロキシを導入したらリバースプロキシが不正アクセスを弾いてくれるので、安全性はかなり高くなるでしょう。
動画を活用したビジネスをしたい人はリバースプロキシを検討してもいい
動画ビジネスを運営したい人は、リバースプロキシを検討する価値があります。その理由を考察します。
動画のパケット量は多い
動画のパケット量はテキストファイルなどと比べたら、格段に多いです。
そのため運営側は多くのwebサーバーを用意する必要があります。
多くのwebサーバーを連携させるときは、リバースプロキシが一番簡単です。
理論的には一つの画面に複数のwebサーバーの動画情報を表示させることは可能ですが、負荷分散させることは高度な技術力が必要です。
その点、リバースプロキシは最初から負荷分散機能があるので、簡単な編集をすれば短時間で負荷分散ができるようになるでしょう。
キャッシュ機能があるので動画の表示も早い
利用者は動画の表示が遅かったらイライラしますが、リバースプロキシにはキャッシュ機能があるので、表示は早めです。
キャッシュ機能のパフォーマンスはテキストファイルでは分かりにくいですが、画像ファイルや動画ファイルではパフォーマンスの凄さが一目で分かります。
推測ですがYouTubeもキャッシュ機能を活用して、動画を配信しているのではないでしょうか？
動画によるマニュアル解説サイトなどは表示速度のパフォーマンスが非常に大切ですが、リバースプロキシを活用すればかなり改善が期待できます。
安全性も高い
動画サービスにもハッカーは狙いを定めているかもしれません。
もしハッカーの攻撃を受けたら、ビジネスに大きな支障をきたします。
リバースプロキシを導入すればクライアントが直接webサーバーにアクセスしにくくなるため、ハッキング行為に歯止めをかけることができます。
また複数台以上のサーバーと連携することができるので、万が一一つのサーバーがダウンしても、別のサーバーに保存されている動画に切り替えたら、何とか急場は凌ぐことができるでしょう。
プロキシサーバーを選ぶ時は大手を選ぶ
プロキシサーバーを選ぶ時は、大手から選んだ方が無難です。理由を解説します。
大手のプロキシサーバーは独自のセキュリティ対策をしている
リバースプロキシだけでも強力なセキュリティ対策は可能ですが、セキュリティ対策にも何らかの穴はあるものです。
そのような穴は独自のセキュリティ対策で埋めるしかありませんが、予算がなく技術力のないプロキシサーバー業者は実現するのが難しいです。
セキュリティ対策は些細な変化も見逃してはいけないですが、専門部署がないプロキシサーバー業者は、些細な変化までチェックする余裕がないことが多いです。
その点、大手はセキュリティ対策に人員を割くことができるので、利用者は安心です。
セキュリティ対策だけではなく、トラフィック管理にも取り組んでいいるので、快適なパフォーマンスが期待できます。
そして顧客管理も厳格なので、顧客情報の流出が極めて少ないです。
まとめ
リバースプロキシとプロキシの違いを解説しましたが、リバースプロキシはプロキシサーバーの進化版と言っていいでしょう。
最近のwebサービスはマンモス化する傾向にありますが、リバースプロキシを活用すれば、トラフィック管理などもスムーズに実行できるでしょう。
昔のプロキシサーバーには身元を隠蔽する機能しかありませんでしたが、最近のプロキシサーバーは機能が充実しています。
是非試してください。
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